INTRODUCTION

“野田版”「真夏の夜の夢」、
巨匠シルヴィウ・プルカレーテ演出の初タッグで上演決定!

 2020年秋、東京芸術劇場では開館30周年を記念して、野田秀樹潤色、シルヴィウ・プルカレーテ演出による「真夏の夜の夢」を上演いたします。本作は1992年に野田秀樹の潤色・演出で「野田秀樹の真夏の夜の夢」と題して初演され、シェイクスピアの名作への大胆な翻案と、豪華キャストの競演により大きな話題となった、いわば”野田版“「真夏の夜の夢」です。衝撃作がこの度、新たな演出で刺激的に蘇ります。

日本とルーマニアの誇る鬼才、待望の融合!!

シルヴィウ・プルカレーテは、ルーマニア演劇界を代表する演出家の一人で、ヨーロッパの三大演劇祭に数えられるルーマニアのシビウ国際演劇祭では、毎年プルカレーテ作品がハイライトとして上演され熱い注目を集めているほか、ヨーロッパ各国の演劇祭にも数多く招聘されています。
 プルカレーテの演出は、水張りのプールや炎の吹き荒れる野外劇、150人超の出演者が観客を導いて移動しながらパフォーマンスするなど、大胆で奇想にあふれ、俳優の持つパワーを十二分に引き出し、鮮烈なエネルギーをほとばしらせ、観る者を惹きつけ圧倒します。そのレパートリーには代表作であるゲーテの「ファウスト」や、オウィディウスの「変身物語」に基づく「メタモルフォーゼ」、ほかシェイクスピアやベケットなど数々の名戯曲があり、さらには鶴屋南北の「桜姫東文章」を翻案した作品「スカーレット・プリンセス」を生み出すなど、日本文化にも深い造詣を持っています。

 日本演劇界の第一線で活躍し続け、時代を先導する野田秀樹の作品は、ユニークな言葉遊びで彩る独創的な世界観で、世代を問わず、また国内に留まらず世界中の観客を魅了してきました。
野田の劇作は、オリジナル戯曲の創作から、翻案作品、歌舞伎作品など、ジャンルにとらわれず実に多彩です。そして、シェイクスピア作品にも取り組みいくつもの潤色作を発表してきました。そのうちのひとつが本作「真夏の夜の夢」です。
 
 野田とプルカレーテは、お互いの国で上演を行う度に親交を深めてきました。野田が芸術監督を務める東京芸術劇場では、これまでに「ルル」(2013)、「ガリバー旅行記」(2015)、「オイディプス」(2015)と、3作のプルカレーテ作品を招聘しました。さらに2017年には佐々木蔵之介ら実力派俳優が集い、プルカレーテが初めて日本人俳優への演出を手がける「リチャード三世」を上演。誰もがその虜になる蠱惑的なリチャード三世が生み出され、演出の魔法の虜となりました。
そしてついに、「真夏の夜の夢」で野田とプルカレーテの初タッグが実現します。

野田秀樹の見事な換骨奪胎「真夏の夜の夢」

シェイクスピアの原作では、アテネの森を舞台に貴族たちの恋の物語が展開されますが、野田版では、日本の割烹料理屋「ハナキン」の人々が富士のふもとの「知られざる森」を舞台に設定が書き換えられています。
そして何と言っても、別作品「ファウスト」のキャラクターである悪魔・メフィストフェレスが物語に乱入、本来であれば重要な役回りのはずの妖精・パックの役目を盗み取ってしまい、原作ではあまり表現されていない嫉妬や憎悪といった負の感情表現も盛り込まれた破天荒な翻案です。野田の真骨頂である言葉遊びと重層的な物語に浸っているうち、切なく美しい喜劇へと、集束していきます。


実力派俳優が集結!
プルカレーテ演出で新たな表情を魅せる


野田版シェイクスピア×プルカレーテ演出、という刺激的な組み合わせに、確かな実力を備えた顔触れが揃いました。数多くのTVドラマ・映画・舞台で活躍し、蜷川幸雄や野田秀樹、栗山民也、鈴木裕美など名だたる劇作家の作品に出演してきた鈴木杏。近年ヘンリック・イプセンの「人形の家」やミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」に出演するなど、演劇作品での存在感を増し、活躍の場を広げている北乃きい。また、舞台やTVドラマ、映画と幅広いフィールドで、様々なキャラクターを個性豊かに演じ、注目を集めている加治将樹。ミュージカルからストレート、リーディングなどさまざまなジャンルの演劇に出演、シェイクスピア作品では「マクベス」に弱冠25歳で挑むなど、精力的な活動を続けている矢崎広

そして、文学座内外の舞台作品、また映像分野にも多数出演する今井朋彦、子役時代から活躍し、個性的なキャラクターも注目を集める加藤諒、独特の存在感と変幻自在の演技力に定評のある手塚とおる、蜷川幸雄作品の国内外での公演に多数出演、また声優としても長年第一線で活躍する壤晴彦。プルカレーテ演出の世界観を体現するにふさわしい、実力派が集結します。